
構造設計者として転職を考え始めたとき、多くの人が最初につまずくのが「履歴書・職務経歴書の書き方」です。
日々の複雑な設計業務の経験は、一般的なフォーマットでは伝わりにくいもの。本来は十分なスキルがあるにもかかわらず、書類選考で正当に評価されないケースも少なくありません。
本記事では、構造設計専門の転職支援を行う「ストラボ」だからこそ分かる、選考を通過するための応募書類の書き方を徹底解説します。
2. 構造設計者の転職で『選ばれる』履歴書・職務経歴書とは
採用担当者が書類を通じて確認しているのは、単なる実務経験の長さではありません。
自社の案件規模やチーム体制に即応できる人物かどうかを、以下のポイントから総合的に判断しています。
- どの構造分野(用途・規模・計算ルート)を経験してきたか
- 解析ソフトの習熟度
- 設計基準・法規への深い理解
- 設計者としてのスタンス(安全側の判断基準、コスト意識、調整力)
履歴書や職務経歴書は、単に過去の事実を並べるだけの書類ではありません。
自分の培ってきた「設計力」を、相手が求める価値へと翻訳して伝えるための「戦略的なプレゼン資料」だと捉えることが、選考突破の第一歩です。
3. 構造設計者の履歴書の正しい書き方
フォーマットの選び方から、学歴・資格、志望動機の書き方まで、項目ごとに具体的なポイントを解説します。
3.1. 履歴書は市販フォーマットで問題ない?
履歴書は市販の標準フォーマットで基本的に問題ありませんが、「志望動機」「自己PR」欄では構造設計への理解と熱意が伝わる内容にしましょう。
Word・Excelで作成する場合は、奇抜なデザインは避け、読みやすさを優先しましょう。
3.2. 基本情報(学歴・資格)で意識すべきポイント
学歴は、学部・学科を明記し、特に構造力学や構造設計に関連する研究室に所属していた場合は必ず記載しましょう。
どの分野を専門的に学んできたかは、構造設計者としての基礎力を判断する重要な材料になります。
資格欄は評価対象になりやすいため、保有している資格は漏れなく記載することが重要です。
一級建築士や構造設計一級建築士については、取得年月とあわせて必ず明記してください。
まだ資格を取得していない場合でも、試験に合格している場合は「一級建築士試験 合格」など、現在のステータスを具体的に記載することでアピール可能です。
また、JSCA建築構造士や構造計算適合性判定資格者、施工管理技士といった資格も、実務経験や専門性の高さを示す要素として評価されやすく、加点につながるため、忘れずに記載しましょう。
3.3. 志望動機は「会社ごと」にどこまで変えるべきか
志望動機は応募企業ごとに完全に書き換える必要はありませんが、「貴社の大規模商業施設の設計に、○○での経験が活かせる」といったように、企業の特徴や手がけるプロジェクトにあわせて、自分の経験・スキルがどうマッチするかを具体的に述べられると好印象です。
自身の強みや将来のキャリアビジョン(構造設計一級建築士取得など)と結びつけることも効果的です。
4. 構造設計者の職務経歴書|評価される書き方のコツ
職務経歴書は構造設計者の技術力を最もアピールできる書類です。以下のような、採用担当者が注目する情報を漏れなく、分かりやすく記載することが重要です。
- 担当業務の範囲:構造計算、構造計画、構造図作成、確認申請、現場監理
- 建物用途と規模:事務所ビル、共同住宅などの用途別経験件数、延床面積
- 構造形式の経験:木造〇件、RC造〇件など。免震・制振構造があれば特筆
4.1. 担当業務の書き方(計算・構造計画・確認申請・現場対応)
「構造計算を担当」と書くだけでは不十分です。
例えば、「中規模RC造共同住宅において、構造計画立案から計算、確認申請対応までを主担当として実施」といったように、業務範囲と責任範囲を具体化しましょう。
また、業務内容を細分化して具体性を持たせると、スキルが明確になります。
例えば、構造計算では「許容応力度計算(ルート1)」「保有水平耐力計算(ルート3)」など計算手法を明示、構造計画では意匠・設備との調整経験、施主への提案経験などを明記すると良いでしょう。
4.2. 案件実績の整理方法(建物用途・規模・構造形式)
案件実績は表形式でまとめると分かりやすくなります。

上記のように、年度|建物用途|構造形式|計算ルート|階数|延床面積|担当範囲|役割|の項目で整理します。
案件数が多い場合は、通算実績を示した上で、直近3〜5年の主要案件に絞り、ご自身の強みが最も伝わるプロジェクトを精査しましょう。
4.3. スキル・専門知識の書き方
使用ソフトは製品名だけでなく、実務での使用年数をセットで記載するのが選ばれるコツです。
SS7、BUS-6、SEIN、BUILD.一貫など、経験のあるソフトはすべて列挙します。BIM(Revit、ARCHICADなど)、CAD(AutoCAD、Jw_cadなど)の経験も網羅しましょう。
5. 構造設計者の自己PR|書き方と例文
自己PRでは技術力だけでなく、プロジェクトに臨む「姿勢」や「価値観」を伝えることが重要です。評価されやすい自己PRの構成と、経験年数別の具体的な例文をご紹介します。
5.1. 評価されやすい自己PRの型(技術×スタンス)
自己PRは、以下の構成を意識して記載すると、読み手に伝わりやすくなります。
- 専門分野・強みを一言で示す
- 具体的な実績・担当範囲で技術力を裏付ける
- 設計に対する姿勢・価値観を述べる
- 応募企業に自分の経験・スキルがどうマッチするかを示す
5.2. 経験値別自己PR例文
S造工場の設計にて柱スパンを最適化し、鉄骨量を15%削減。コストカット分を設備投資へ充てる提案を行い、施主より高い評価をいただきました。また、徹底した事前協議により直近5件の適判指摘ゼロを達成し、現在は若手3名の検図・育成も担っています。
培った合理化の視点と確実な審査・現場対応力を活かし、貴社のプロジェクトにおいて手戻りコストの最小化と、利益率・顧客信頼度の向上に直結する設計を実践します。
5.2. マネジメント・レビュー経験がある場合の伝え方
マネジメント経験は、人数・案件数・期間を明確にすると評価されやすくなります。
例:「構造設計チーム5名のリーダーとして、年間15件の案件を統括」
レビュー経験については、役割と成果を具体的に記載しましょう。
例:「構造計算書の照査を担当し、不整合を事前に発見・是正することで、設計品質の向上に貢献」
6. やりがちなNG例と改善ポイント

6.1. 「計算できます」だけで終わってしまう履歴書
構造設計者として「計算ができる」のは前提であり、それだけでは差別化になりません。
× NG例
◎ 改善例
【ポイント】
規模感・計算ルート・適判対応の実績に加え、意匠側との「調整力」を盛り込むことで、実務能力の高さを証明できます。
6.2. 専門用語の羅列で「伝える工夫」が欠けている
専門性を示そうとして用語を並べるだけでは、読み手に「何ができる人か」は伝わりません。読み手は必ずしも構造の専門家だけではないため、「何ができて、どんな価値を出したのか」が伝わらなければ評価にはつながりません。
× NG例
◎ 改善例
【ポイント】
なぜその手法を選んだのか、その判断がプロジェクトにどんなメリットをもたらしたのかを言語化することで、「知識がある人」ではなく「判断できる構造設計者」であることを伝えられます。
6.3. 職務経歴書が「作業日報」になっている
単に携わった物件を並べるだけでは、あなたの「市場価値」は伝わりません。
× NG例
◎ 改善例
【ポイント】
「コスト削減」や「工期短縮(スムーズな承認)」など、経営やプロジェクト全体に与えたメリットを具体的な数字や事実で示しましょう。
7. 構造設計専門の転職支援を使うという選択肢
転職エージェントを利用すると、応募書類の添削を受けることができますが、構造設計に特化した転職エージェントを活用することで、より効果的な応募書類に仕上げることができます。
7.1. 一般的な転職エージェントの限界
一般的な転職エージェントは、アドバイザーが構造計算や設計実務の専門知識に乏しく、応募者の本当の強みや市場価値を正確に理解できないことが少なくありません。
履歴書・職務経歴書の添削においても、構造設計者としての技術的なアピールポイントや「設計思想」の深さを十分に引き出し、書類に反映することができないのが実情です。
7.2. ストラボnaviなら、構造設計者の強みが正しく伝わる

構造設計専門の転職支援サービス ストラボnavi では、専門性を正しく評価し、最適なマッチングを実現します。
Point1:実務に精通した書類添削
構造設計を熟知したアドバイザーが、一般のフォーマットでは埋もれがちな「真の実績」を可視化。応募先(事務所・ゼネコン等)が技術者のどこを評価するのか、そのツボを押さえた記載方法を伝授します。
Point2:「技術の価値」を企業の決裁者に直接届ける
構造設計事務所やゼネコン各社との深い信頼関係に基づき、一般には出回らない「非公開求人」や、組織の内部事情・プロジェクトの詳細まで把握しています。
7.3. まずは情報収集・キャリア相談だけでもOK
私たちは、構造設計の重要性を深く理解している企業の経営層や設計部長と直接対話しています。
一般的なエージェントのように、単にスペック(資格や年数)を横流しするのではなく、あなたの「設計思想」や「調整力」といった、図面や計算書だけでは見えない技術者としての本質的な強みを、企業のキーマンへ正しくプレゼンします。
8. まとめ|書類選考通過のカギは「技術の可視化」
構造設計者の転職において、履歴書・職務経歴書は単なる「経歴の証明書」ではなく、あなたの技術力と設計思想を伝えるための「重要なプレゼン資料」です。
一般的なフォーマットの枠に捉われず、構造種別や解析ソフトの習熟度、そして実務での調整力を具体的に言語化することで、書類選考の通過率は飛躍的に高まります。
しかし、自分一人でこれまでの膨大な実績を整理し、客観的な市場価値を判断するのは容易ではありません。
構造設計専門の転職支援サービス「ストラボnavi」は、構造設計の実務を深く理解しているからこそ、あなたがこれまで手掛けてきた物件の難易度や、計算プロセスにおける工夫、一級建築士としての裁量を、正当な評価へと繋がる「職務経歴書」へと昇華させることができます。
「自分の実績をどうアピールすればいいかわからない。」「専門スキルを正しく評価してほしい。」そんな悩みをお持ちの方は、ぜひ、ストラボnaviにご登録ください。
あなたの培ってきた設計力を最大限の武器に変え、次なるキャリアの扉を一緒に開きましょう。
\構造設計専門の転職エージェント「ストラボnavi」/
執筆者

小林 玄彦(こばやし はるひこ)
株式会社ストラボ 代表取締役
オリジナル工法の開発やブランディングにも注力し、創業期から同社の規模拡大に貢献。
2024年に株式会社ストラボを創業し、構造設計者のための成長支援プラットフォーム「ストラボ」をローンチ。
構造設計者の社会的価値を最大化することを使命とし、構造設計業界や組織、そこで働く社員が価値観を共有し、他社との差別化を図ることで、構造設計者の価値を誇りをもって伝えられるようサポートしている。


