現役設計者が教える「構造設計に向いている人」の特徴|苦手な仕事は他人頼みでOK!?

こんにちは!現役の構造設計者であり、株式会社ストラボ代表の小林です。

今回のストラボ通信のテーマは「構造設計者に向いている人」についてです。

Googleなどで「構造設計 向いている人」と検索すると、転職エージェントの解説ページが上位に出てきます。「コツコツ作業が好きな人」「スケジュール管理が得意な人」とかですね。

ですが、そこで紹介されているのはあくまで一般化された、客観的な視点から見た特徴です。

今回は、私が実際に20年以上の実務を通して見てきた、多くの構造設計者から抽出した「本当に構造設計者に向いている人の特徴」をお話しします。

構造設計者への道へ進むかどうか迷っている就活生や転職を考えている人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

現場で実際に見てきた「活躍できる構造設計者の特徴3つ」

本当に構造設計者に「向いている」と感じる人の条件はこれです。

【構造設計者適性】柔軟に判断できる人

【理由】
構造設計の最適解は状況や登場人物で常に変化します。迫られる様々な課題に対して、施主、意匠、施工など、それぞれの目線に合わせてジャッジしなくてはならない場面が多いからです。

【構造設計者適性】調整が得意な人

【理由】
施主・意匠の要望、そして設備・施工の都合も踏まえた最適な落とし所を見つけられることが、最適解への最短距離を導き出すことができるからです。

【構造設計者適性】論理的に考えられる人

【理由】
複雑なプロセスにおいて、順序や要点を整理し、手戻りの少ない業務遂行を実現できるからです。これは、技術者としての信頼に直結します。

文章で表すとどれも地味な特徴に見えるかもしれません。ですが、これらは実務と非常に密接な関係にあるスキルです。これらを苦痛に感じる人は、構造設計という“作業”はできても、構造設計者として長く働き続けるのは難しいでしょう。

逆に、構造設計者に「向いていない」と感じる人の特徴はズバリ、こちらです。

【構造設計適性×】こだわりや完璧を追い求めてしまう人

【理由】
構造設計は、むしろ短い期間で成果を求められる場面が多いからです。納得いくまで仕事と向き合うことは大切ですが、好きなだけ時間を使える仕事は存在しません。依頼された仕事である以上、自分の中のこだわりと、現実的な納期や予算と折り合いをつけることも必要になります。

構造設計者は、全体工程やコスト、他部署との連携を常に意識しなければいけません。視野が狭くなってしまうと、大きな手戻りやプロジェクトの遅延というリスクに繋がる可能性が高くなることを覚えておいてください。

「構造設計者に向いていないからやめよう」という判断は正しいか?

進路を選ぶうえで、転職エージェントが言っているような職業の向き・不向きを「一つの判断材料」にするのは良いと思います。しかし、そこから漠然と難しそうなイメージを抱いて「向いている人の条件に当てはまらないから、構造設計者を目指すのはやめよう」と最初から諦めてしまうのは、非常にもったいないと思います。

先ほど、適性がある人の具体的な特徴についてお伝えしましたが、「向いている」という状態をもう少しだけ拡大して解釈してみると、「構造設計に向いている人」というのは、「構造設計が嫌じゃない人」くらいの感覚で十分だと思っているんです。

私は、「向いている」とは、必ずしも人より成果が出せることではなく、苦も無くあるいは楽しさを見出しながら長く続けられる性質を示していると考えています。

  • 「細かい入力作業は意外と嫌いじゃない」
  • 「平面と立面から建物をモデル化するのはちょっと楽しいと感じる」
  • 「お客さんとのコミュニケーションがうまくいって無駄な作業が減らせると面白い」

構造設計者は設計能力だけが評価される職業ではありません。たくさんの構造設計者を見てきて、このようなちょっとしたポジティブな感覚が、後々に強力な武器になっている人が多いように思うのです。

「構造設計者に向いていないなぁ」と感じている人へアドバイス

先述した通り、個人的には「構造設計が嫌いじゃない」という感覚の持ち主であれば、「向いていない」ということはないと考えています。

皆さんが「自分は構造設計者に向いていないんじゃないか」と考えるときは、「いつまでも得意にならない苦手な業務がある」「新人じゃないのにミスがなくならない」などという場面ではないでしょうか。

ぶっちゃけますよ?

構造設計の業務は多岐にわたりますから、業務遂行上に発生する全ての業務に対して苦手をゼロにするということは不可能なんです。

安心してください。多くの時間をかけて継続すれば、大抵のことは、得意とまではいかなくても克服できるようになります。ミスがどうしても無くならないなら、ミスをする前提で自分自身が気づけるようなチェック体制を少しずつ確立すればいい。

……とはいえ、「嫌いじゃないけど苦手意識がある業務」に対して、どのように向き合っていけば良いのか、悩みますよね。

そこで、私の対処法をお伝えしたいと思います。
私の場合は、苦手な業務や分野は可能な限り得意な人に頼ることにしています。

向き合ってないじゃん!」というツッコミが聞こえてきそうですね。

例えば、私は杭の施工判断や工法選定は、それなりにできるんです。ですが、難しい案件に対しては、自分より早く確実に実施できる、より専門的な知識を持った人に聞く、という判断をします。そのレベルまでは達していない、同じレベルの成果を出すには工数がかかり過ぎる、という感覚があるんです。

以上の理由から、杭で困ったときには「自信が無いから、SKYパイルソリューションの〇〇さんにも聞いてみよう!」と電話しています。もう日常茶飯事です。


「SKYパイルソリューション」という杭や地盤改良のコスト比較をしてくれるサービスに結構お世話になっているので、リンクを貼っておきます。
もし興味がある方がいたら覗いてみてください。有料プランもありますが、私は無料プランで十分すぎると思います。

>>杭基礎・地盤改良コスト比較サービス「SKYパイルソリューション」


構造設計を20年続けていても人に頼ることがあるなんて、と意外に思いましたか?

実際、たった1本の電話で、自分で悩んだり考えたりする時間がかなり減ります。スペシャリストのアドバイスを取り入れることで安心して設計を進められますし、地場の業者さんだと地域特有の事情なんかにも詳しくて、後々の仕事がすごく円滑になる。

そういうことを相談できるようになるには、日頃から頼り・頼られるための関係構築が大切というのは、言わずもがなです。業者の方に失礼な対応をしている人は、絶対にいつか泣きを見ることになります。

この記事で何が言いたかったのかというと、「向き・不向きはやってみる前から真剣に考えなくてもよい。嫌いでさえなければ時間が解決してくれる」「あれこれ想像してネガティブになるのはもったいない」というお話でした。

もし、私とSKYパイルソリューションの関係のように、まだ技術相談ができる相手がいないという人は、ぜひ「ストラボAI」を使ってみてください。「ストラボAI」は、AIが建築構造についての質問に回答してくれるうえ、他のストラボ利用者や構造設計を熟知した耐震建築家®が、AI回答の補足や役に立つ情報を教えてくれる参加型AIコミュニティです。気軽な相談相手になってくれるはずです。

今後も「ストラボ通信」では、構造設計者の現状分析や特有の悩みなど、構造設計に関する様々な情報を発信していきます。またお会いしましょう!

執筆者

小林 玄彦(こばやし はるひこ)
株式会社ストラボ 代表取締役

さくら構造株式会社の社長室室長として10年間、採用活動や評価制度の構築、組織マネジメントに従事。
オリジナル工法の開発やブランディングにも注力し、創業期から同社の規模拡大に貢献。
2024年に株式会社ストラボを創業し、構造設計者のための成長支援プラットフォーム「ストラボ」をローンチ。
構造設計者の社会的価値を最大化することを使命とし、構造設計業界や組織、そこで働く社員が価値観を共有し、他社との差別化を図ることで、構造設計者の価値を誇りをもって伝えられるようサポートしている。

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