新サービス誕生の裏側|構造設計業界の壁を越える新しい挑戦と目指す未来

こんにちは!現役の構造設計者であり、株式会社ストラボ代表の小林です。

今回の「ストラボ通信」では、私がストラボを立ち上げるに至った想い、そしてストラボがどのようにして構造設計者の皆さんをサポートするサービスなのかについて、お話ししたいと思います。

なぜ「ストラボ」は生まれたのか?

巨大地震が頻発する現代において、建物の安全性を担保する構造設計者の役割は、極めて重要です。
しかし、その価値が社会に十分に認知され、正当に評価されているとは言えない現状があります。
この現状を何とか変えたいという強い想いから、ストラボは生まれました。

会社名の「ストラボ」は、「ストラクチャー(構造)」と「ラボラトリー(研究所)」を組み合わせた造語です。
「ラボ」という言葉には、これまでの枠にとらわれず、新しいサービスを創り出すことへの挑戦、そして未知の領域へと果敢に進んでいく私たちの強い意志が込められています。

私がストラボを起ち上げる決意をしたのは、「ある出来事」がきっかけでした。

業界トップクラスの構造設計事務所で感じた「壁」

私が構造設計者として、在籍エンジニアが100名を超える大手構造設計事務所で働いていたある日のことです。

業界有数の構造設計事務所の経営者たちと対談する機会がありました。
各社が抱える問題について率直に話し合い、解決策を共有しようと試みたのです。
しかし、実際に話してみると、どの会社も共通の悩みを抱え、有効な解決策を見つけられていないことに、私は大きな衝撃を受けました。

たとえば、次のような課題が挙げられました。

  • 技術共有の仕組みが未整備
    OJT頼みで、体系的な技術継承が難しい。
  • 経験外の技術相談・指導不足
    若手や中堅が、専門外の技術的な壁にぶつかったときに相談できる相手が少ない。
  • コミュニケーションの壁
    口下手なエンジニアが多く、社内での円滑な情報共有や連携が難しい。
  • 品質マネジメントの形骸化
    ルールはあっても、実態として機能していないケースがある。
  • 経営視点の欠如
    交渉や経営視点を持つことに苦手意識があるエンジニアが多い。
  • 事業承継の困難さ
    小規模な構造設計事務所では、後継者不足により廃業を選ぶケースが増えている。

構造設計業界のトップと言われる企業ですら解決できない問題ならば、個々のエンジニアや個別の構造設計事務所だけで解決するのは極めて難しいのではないか?

この現実を目の当たりにし、私は「誰かが立ち上がり、構造設計業界全体で解決に向けて働きかける必要がある」と強く感じました。

そして、私自身が最前線で構造設計の業務を行うのではなく、別の角度から業界全体を支える人間になろうと決めたのです。

あなたのキャリアに寄り添う「ストラボ」の5つのサポート

まだまだ発展途上ではありますが、構造設計者の皆さんのキャリアを一生涯にわたって支えるため、ストラボでは合計5つのサービスを提供しています。

  1. ストラボschool(スクール):構造設計スキルアップ
  2. ストラボnavi(ナビ):就職・転職エージェント
  3. ストラボpartner(パートナー):副業・独立サポート
  4. ストラボgrowth(グロース):経営コンサルティング
  5. ストラボAI:AI型 Q&Aコミュニティ

これらのサービスを通じて、それぞれの分野で、構造設計者が人生のどのステージにいても最適なサポートを受けられる環境を目指します。

知り合いの構造設計事務所の経営者には「これらのサービスを一つのプラットフォームで運営していくのはかなり大変だよ」と言われました。

ですが、いずれかのサービス一つだけでは、構造設計者の社会的地位の向上や、構造設計業界が抱える問題は解決できません。

ぜひ構造設計者の皆さんにも様々な面でご協力いただきながら、この「ストラボ」を一緒に育てていきたいと願っています。

社会を支える構造設計の本当の価値を広めたい

構造設計は「見えない」仕事が多いですが、建物が社会の安全と安心を支える限り、私たちの技術と知恵は常に必要とされます。

本来であれば、もっと大きなやりがいを実感できて良いはずの仕事であり、どれほど社会的に重要な仕事であるかは、私たち構造設計者自身が一番よく知っているはずです。

皆さんが構造設計者としてキャリアを積む過程で、一人では難しいと感じる場面があるかもしれません。
ですが、ストラボがその道のりを支えます。
プラットフォームに集まった構造設計者の仲間と一緒に歩むことで、構造設計業界に新しいインパクトを生み出せると信じています。

執筆者

小林 玄彦(こばやし はるひこ)
株式会社ストラボ 代表取締役

さくら構造株式会社の社長室室長として10年間、採用活動や評価制度の構築、組織マネジメントに従事。
オリジナル工法の開発やブランディングにも注力し、創業期から同社の規模拡大に貢献。
2024年に株式会社ストラボを創業し、構造設計者のための成長支援プラットフォーム「ストラボ」をローンチ。
構造設計者の社会的価値を最大化することを使命とし、構造設計業界や組織、そこで働く社員が価値観を共有し、他社との差別化を図ることで、構造設計者の価値を誇りをもって伝えられるようサポートしている。

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