高収入が狙える構造設計者の3つの特徴!転職は年収アップの近道

こんにちは!現役の構造設計者であり、株式会社ストラボ代表の小林です。

今回のストラボ通信のテーマは「構造設計者の年収」についてです。

皆さんはご自身の年収が、担っている業務の責任や専門性に見合った妥当な金額だと思いますか?また、構造設計者としてピーク時に一体どのくらい貰えるようになるのか、具体的な目標値は気になりませんか?

今回は、構造設計者の平均年収を紹介したうえで、私が考える「適正な年収」と、高い年収を実際に獲得できる構造設計者の特徴と具体的な戦略についてお話しします。

構造設計者の平均年収はいくら?

まず、一般的なデータから現在の市場価格を確認しましょう。

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、建築設計技術者の平均年収は約632.8万円。一方、某転職エージェントでは約586万円でした。
以上のことから、構造設計者の年収は約586万円~632.8万円程度と推定できます。

今の自分の年収と比較してどうでしょうか。低いですか?高いですか?

入社5年以下だと「そんなにもらってないよ。」という人の方が多いでしょう。単純な平均年収だけで見れば、建築以外の職種と比べて極端に低くはないため、この金額に一定の安心感を覚えた人もいるかもしれません。

しかし、本当にこの金額が、専門家である構造設計者の適正な市場価値なのかどうかは、別の話です。

「構造設計者の適正年収は1000万円以上だ」と主張できる理由

私としては、この平均年収データが示す金額は構造設計者の専門性に見合っておらず、低いと考えています。

業界の構造的に、現在のサラリーマン構造設計者の平均年収が700万円程度が目安かもしれませんが、業務内容や労働時間、そして担う責任を考慮したうえで、私が適正だと考える平均年収は1000万円〜1200万円です。

適正年収が1000万円〜1200万円だと言える根拠

構造設計者として様々な構造設計を習得し、年間220〜240日間構造設計に従事し、1日あたり10時間作業した場合、国交省が発表した設計業務委託等技術者単価をもとに算出すると、市場価値は約1,500万円になります。

実際には審査対応や案件の合間のポケットタイムがあるため、これらを勘案して1000万円〜1200万円が構造設計者の持つべき価値であると見ています。

現状、この金額をクリアできるのは、大手ゼネコンや組織設計事務所の構造設計部長クラスなど、ごく一部かもしれません。構造設計者の平均年収が700万円程度の金額に抑えられている原因は、以下の業界構造にあると考えています。

  • 決まった取引先の業務がほとんどで、設計料を上げにくい構造にある
  • 一人当たりが捌ける量に限度があるため、限られた発注者からの仕事ばかりになりがち
  • 技術の幅が偏ると、特定の業務しか受注できないため単価が上がりにくい
  • 同じ環境に居続けると、向上できる技術力に限界がくる

年収アップが見込める構造設計者の「希少性」をつくる3つの要素

業界構造の壁をすぐに壊すのは難しいですが、では、この状況下で年収をアップさせるにはどうしたらよいか。その答えは、「自分の希少性(=替えのきかない価値)を上げていく」ことです。

構造設計事務所の経営者から見て、高い給与を出しても惜しくないと思うのは、次のような明確な希少性を備えた人です。

  • 相手の要望を的確に汲み取れる
  • 構造設計の技術を相手の知識レベルに合わせて説明できる
  • 様々な条件の中から、関係者全員が納得する「最適解」の落とし所を作ることができる

一見地味な特徴ですが、これらを兼ね備えている人は、社内外問わず「また必ず一緒に仕事をしたい」と感じさせることができます。

構造設計は元々リピート率が高い職種ではありますが、依頼をいただく意匠設計事務所やゼネコンから「この人にこの仕事をお願いしたい」と指名される人材は、会社にとって手放すわけにはいかない重要な資産となります。そのため、年収には最大限の配慮をしてくれるようになるのです。

建築業界ならでは?転職の武器になる意外なスキルはこれだ!

2〜3人の小規模事務所で同じような仕事をし続けるキャリアを選んだ場合、正直言って、業界の構造的に大幅な年収アップは望めません。そのため、手っ取り早く年収を上げたいのであれば、独立・転職で自分の居場所(=市場)を変えることが最善の戦略です。

転職で年収アップを狙うのであれば、技術力だけではなく、日頃からさまざまな人とのコミュニケーションに力を入れることをおすすめします。

「技術力を磨いて、実績をつくって、転職のタイミングを待つ!」という正攻法もよいのですが、転職のチャンスはいつどこから転がり込んでくるかわかりません。

構造設計の業務において雑談が必要とされる場面は少ないですが、普段からコミュニケーション力を磨いていないと、こういったチャンスを逃してしまうことになります。

意外な転職のチャンスその1:雑談コミュニケーションで転職のお誘い

関係者との雑談がきっかけで転職の誘いをもらったという実例は少なくありません。構造設計の業務において雑談が必須とされる場面は少ないですが、普段からコミュニケーション力を磨いていないと、こうした偶発的なチャンスを逃してしまうことになります。

意外な転職のチャンスその2:構造関係イベントの名刺交換から縁ができた

構造設計者の育成は時間もコストもかかるため、即戦力を欲しがっている大手組織設計事務所は思った以上に多いです。大手への転職は、年収アップの近道ともいえます。構造関係のセミナーや学会などで、構造設計事務所の社員と名刺交換をしたことが転職のきっかけになった、ということもありますので、こうしたイベントには積極的に参加しておいた方がよいでしょう。

意外な転職のチャンスその3:業界内のクチコミでスカウト

構造設計事務所に出入りする建材メーカー、杭メーカーなどの業者の方々も、実は隠れたキーマンだったというケースもあります。中には「あの構造設計事務所の〇〇さんは優秀だ」と各所で発信してくれる人がいて、それが転職や案件獲得の縁になることも少なからずあります。日頃からの関係構築が大切だとよくわかります。

こうした正攻法以外の転職方法を知識として持っているだけでも、ライバルたちに差をつけることができます。チャンスをものにしようという心がけが普段の行動を変え、それが未来を切り開くきっかけになるかもしれません。

年収アップを目指す人は、自分の市場価値と、それを高めるための戦略的な立ち位置について改めて考えてみてください。

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今後も「ストラボ通信」では、構造設計者の現状分析や特有の悩みなど、構造設計に関する様々な情報を発信していきます。またお会いしましょう!

執筆者

小林 玄彦(こばやし はるひこ)
株式会社ストラボ 代表取締役

さくら構造株式会社の社長室室長として10年間、採用活動や評価制度の構築、組織マネジメントに従事。
オリジナル工法の開発やブランディングにも注力し、創業期から同社の規模拡大に貢献。
2024年に株式会社ストラボを創業し、構造設計者のための成長支援プラットフォーム「ストラボ」をローンチ。
構造設計者の社会的価値を最大化することを使命とし、構造設計業界や組織、そこで働く社員が価値観を共有し、他社との差別化を図ることで、構造設計者の価値を誇りをもって伝えられるようサポートしている。

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