Documentary Series — 構造設計者の思考と哲学
ローカルに根ざし、グローバルを解く。 北海道発の構造デザイン。
#01
山脇 克彦
YAMAWAKI KATSUHIKO
プロフィール
1968年大阪生まれ、奈良育ち。意匠設計から構造へ転身するのは難しいことから、大学在籍時にキャリアを考えて構造の道へ進む。
神戸大学大学院修了後、日建設計に入社。あえて小さく特殊なプロジェクトを選んで担当してきた。東京での勤務や北海道への出向を経て、2015年に独立し札幌へ。
「一つ際立った建築をつくる」という意志を“家”の字に込め、自らを「構造家」と名乗る。現在はJSCA北海道支部支部長、北海道大学非常勤講師も務め、理論と実践の双方を極めた構造のプロフェッショナルとして活動している。
設計思想に迫る
ローカルに根ざし、グローバルを解く。北海道発の構造デザイン。
日本有数の組織設計事務所でキャリアを積み、特徴的な建物をいくつも手掛け、構造設計業界における主要タイトルを受賞してきた山脇氏。そのトップ技術者が独立後の活動の場に選んだのは、札幌。そして、培ってきた知見と高度な解析技術を、いまは木造建築へ注ぎ込んでいる。
「第一線から一転、なぜ地方で木造に挑むのか」という問いに対し、「地元の奈良ではバイクで寺巡りをするほど木造に興味があり、いつか挑戦してみたいと思っていた。その契機が“独立”だった。」と語る。
山脇氏の名刺を見ると「構造家」という肩書を掲げている。その理由を尋ねると「ルーティーンワークを超えたいい建築を造る、という想いを込めた。後進に自分の立ち位置を示す言葉でもある。“家”には“先生”に近い意味もあり、私自身がそういう存在にならなくてはと思った。」という。
設計において大切にしている言葉は、Buckminster Fuller の「Think Global, Act Local.」。翻訳の正解はないが、「北海道という地域に根差した建築設計(Act)に携わることが、地球環境や社会(Global)につながる、と解釈しています。」と教えてくれた。
山脇克彦建築構造設計
北海道札幌市に2015年設立。木造・鉄骨造・RC造・PC造など、公共建築から住宅まで様々な建築の構造設計監理を行うほか、文化財補強設計、コンサルティングなどにも携わる。構造架構が建築空間に付加価値を与える設計を常に心掛け、North Farm Stock増築店舗、当麻町役場、清水町バスシェルター、北海道大学医学部百年記念館など、風土に根差した木造空間の創出を得意とする。
アトリエ(自社オフィス)は「構造デザインの楽しさを表現する」というコンセプトのもと、自ら設計。突出鋼管により創り出したピロティも特徴的だ。北海道産カラマツ由来の製材、集成材、LVLなどを使い、構造デザインの多様性と北海道の樹木の可能性を体現。和格子耐力壁など木材の新しい組み方を自ら実験・実証した仕事環境となっている。
- 所在地
- 〒062-0024 札幌市豊平区月寒西4条9丁目2-15
主な受賞歴
- 2023年:北海道赤レンガ建築賞
- 2020年:北海道赤レンガ建築賞
- 2019年:木材活用コンクール優秀賞
- 2018年:日本構造デザイン賞・北海道建築賞
- 2015年:北海道建築賞
代表作
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安平町 早来学園
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夕張市拠点複合施設りすた
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北海道大学医学部百年記念館(札幌)
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山脇克彦建築構造設計アトリエ(札幌)
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籤-HIGO-(札幌)
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モード学園スパイラルタワーズ(名古屋)