構造設計者の年収ランキング2025年最新版|企業規模・年齢・資格別の相場と市場価値を徹底解説

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構造設計者として日々業務に励む中で、「自分の年収は業界全体や同世代と比べてどうなのか」「将来、さらに収入を伸ばすにはどうすれば良いのか」といった疑問を抱く方は少なくありません。

そうしたキャリアの悩みに対し、この記事では最新のデータに基づき、構造設計者の年収事情を徹底的に解説します。

単なる数字の羅列に留まらず、高年収を実現している構造設計者の共通点や、具体的な年収アップの方法まで、あなたのキャリアプランに役立つ情報を提供します。

本記事が、ご自身の市場価値を客観的に見つめ直し、次のステップを考えるきっかけとなれば幸いです。

【2025年版】構造設計者の年収ランキングを大公開|働く場所で変わる年収の実態

建物の安全性を担保する、構造設計者の年収は、働く場所によって大きく差が出ます。ここでは、代表的な勤務先ごとの年収の傾向を、信頼できるデータや公開情報をもとに、客観的にご紹介します。

1位:スーパーゼネコン・組織設計事務所の年収|建築業界トップクラスの給与水準

構造設計者として高い年収を目指すなら、スーパーゼネコンや組織設計事務所が有力な選択肢です。特に、鹿島建設、大林組、大成建設といったスーパーゼネコンは、大規模なプロジェクトを多数手掛けるため、その収益性の高さが従業員の給与に還元されやすい構造になっています。

各社の有価証券報告書によると、平均年収が1,000万円を超える企業が多数存在します。

  • 鹿島建設: 約1,180万円
  • 大林組: 約1,140万円
  • 大成建設: 約1,020万円
  • 清水建設: 約1,050万円
  • 竹中工務店: 約1,010万円

組織設計事務所は、大規模な建築物や公共施設・商業施設などの設計・監理を総合的に担当し、全国に支店をもつケースも多く、業務の受注が安定的で高年収を期待できます。

  • 日建設計: 約800万円
  • 梓設計: 約750万円
  • 日本設計: 約800万円
  • 山下設計: 約780万円
  • NTTファシリティーズ: 約870万円
    ※他社転職サイトの求人データより

以上の数字は全職種を含む平均ですが、専門職である構造設計者にとっても高収入が期待できる環境であることは間違いありません。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」でも、従業員1,000人以上の建築技術者全体の平均年収は約699万円であり、会社規模が収入に大きく影響していることがわかります。

■引用:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html?utm_source=chatgpt.com

2位:大手構造設計事務所の年収|安定的なキャリアパス

大手構造設計事務所に勤務する構造設計者の年収は、スーパーゼネコンや組織設計事務所と比較するとやや落ち着いた水準になる傾向があります。これは、扱う案件の単価が低いことや、企業の経営状況が給与体系に直結しやすいことが主な理由です。

転職実績データによると、中小規模の企業における年代別の平均年収は以下の通りです。

  • 20代: 約400万円
  • 30代: 約500万円
  • 40代: 約720万円

構造設計者全体の平均年収はおおよそ600万円前後とされており、この水準が中小事務所で働く場合の目安と考えられます。ただし、特定の分野(たとえば耐震診断や免震設計など)に特化し、質の高い業務を手掛ける事務所の中には、スーパーゼネコンや組織設計事務所と遜色ない高年収を実現しているケースも存在します。つまり強みを活かせている企業かどうかが鍵を握ります。

3位:官公庁・ハウスメーカー・メーカー系企業の年収|設計事務所以外の高収入への道

構造設計者のキャリアは、ゼネコンや設計事務所以外にも多様な選択肢があります。働く場所が変われば、仕事内容も、そして年収の考え方も大きく変化します。

  • 官公庁・自治体: 「建築技術職」として構造設計に携わります。人事院や各自治体の給与データによると、平均年収はおおむね600万〜650万円程度と安定した水準です。公務員のため、福利厚生が手厚く、ワークライフバランスを重視する方には魅力的な選択肢です。
  • ハウスメーカー・住宅系企業: 住宅やアパート、マンションの構造設計が主な業務です。年収相場は500万〜650万円前後。顧客との距離が近く、設計から施工までの一連の流れを学べるのが特徴です。
  • 建材メーカー・解析会社: 特殊な建材の開発や、専門的な業務に従事します。年収は500万〜700万円程度が目安となります。ニッチな分野でスペシャリストを目指すには最適な環境です。

構造設計者のリアルな年収相場とは?年齢・経験・資格の影響を解説

構造設計者の年収は、働く会社の規模だけでなく、個人のキャリアによっても大きく左右されます。ここでは、年齢や経験年数、そして保有資格が、年収にどう影響するかを詳しく見ていきましょう。

年齢|20代・30代・40代・50代の相場

年齢が上がるにつれて年収も上がっていく傾向は、構造設計者も同様です。これは、経験年数の増加に伴い、より責任あるポジションや大規模なプロジェクトを任されるようになるためです。

  • 20代: 平均400万円前後。仕事の基礎を学び、経験を積む時期です。
  • 30代: 500〜600万円。中堅社員として、プロジェクトのリーダーを務めたり、顧客との折衝が増えたりします。
  • 40代: 700万円台。ベテランとしてチーム全体を牽引したり、高度な技術判断を下したりする立場になります。
  • 50代以降: 役職者となれば、800万円〜1,000万円以上も十分に現実的な数字になってきます。

これは、日本の一般的な賃金構造と似ています。構造設計者も、専門技術を磨きながら着実にキャリアを積み重ねることで、給与も伸びていく職種です。

■引用:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html?utm_source=chatgpt.com

経験年数|新人〜ベテラン構造設計者の業務の変化

構造設計者として年収を伸ばすには、単に長く働いたかだけでなく、「どのような役割を担ってきたか」が非常に重要になります。
最初は設計補助や計算業務が中心でも、経験を重ねるうちにプロジェクト全体を取りまとめるマネジメントの役割へとシフトします。実際にストラボの調査でも、マネジメントを担う人材の給与は、プレイヤー層よりも100万円以上高い水準で推移していることが分かっています。
つまり、年収アップを目指すなら、単に設計・計算業務をこなすだけでなく、プロジェクト全体を見渡し、人を動かすスキルも意識して磨く必要があります。

資格|一級建築士・構造設計一級建築士で年収と信用UP

構造設計者にとって、資格は非常に強力な武器です。「一級建築士」や「構造設計一級建築士」を保有しているかどうかで、年収は大きく変化します。

  • 一級建築士: 取得することで、設計できる建物の規模や用途が大幅に広がり、担当できる案件の幅が広がります。多くの企業で、資格手当として毎月数万円を支給するケースも多く見られます。
  • 構造設計一級建築士: 特定の高層建築物や特殊構造物を設計する際に、法律上必須となる重要な資格です。この資格を持つことで、組織内でも中心的な役割を担うことができ、評価も収入も自然と上がっていきます。

高収入を得ている構造設計者の共通点

「なぜ、あの人は自分より年収が高いのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?高年収を実現している構造設計者には、いくつかの共通点があります。

1. 案件規模の「お金の流れ」を理解している

高年収の構造設計者は、目の前の設計業務だけでなく、案件全体のお金の流れをしっかり理解しています。
建築業界の慣習として、建築設計の報酬は、一般的に工事費の一定割合で決まることが多いです。工事費が10億円なら設計料は数千万円、100億円なら数億円といったように、案件規模が大きくなるほど、構造設計料も高単価で受発注されます。
超高層ビルや大規模な物流施設といった、一棟の工事費が数百億円にもなるプロジェクトを多数手掛ける大手企業は、必然的に設計料も大きくなります。その大きな利益が、社員の給与として還元される。高収入を得ている構造設計者は、業界の仕組みを理解しているからこそ、大規模案件に関わる機会を常に探しているのです。

2. 資格と専門性を武器に「唯一無二」の構造設計者を目指す

高年収の構造設計者は、資格を持っているだけでは満足しません。それに加えて、自分だけの「専門性」を深く掘り下げています。
例えば、「構造設計一級建築士」という資格は、大規模案件を担当する上で不可欠な要件です。資格を持つことで、誰もが手掛けられるわけではない、特別なプロジェクトに参加できます。さらに、BIMを使いこなしたり、免震・制震設計のプロフェッショナルになったりすることで、「この技術ならあの人に聞こう」と言われるような、唯一無二の存在になれます。単なる技術者ではなく、市場で価値のあるスペシャリストになることが年収を大きく伸ばす鍵です。

3. 「残業至上主義」から脱却し、成果で勝負する

「残業が多い=頑張っている」という考え方は、もはや時代遅れかもしれません。高年収の構造設計者は、限られた時間の中で最大の成果を出すことを重視しています。
企業は、社員が何時間働いたかよりも、「どのような付加価値を生み出したか」を見ています。そのため、効率的に業務を進め、設計判断や顧客への提案といった、影響力の大きな仕事に集中する姿勢が重要です。もちろん、締め切り前には頑張らなければいけない時もありますが、常に「どうすればもっと効率よくできるか?」を考えている人こそが、結果的に高い評価を得ています。

見せかけの高収入に注意!「残業代頼み」の年収の落とし穴

「年収700万円!」と聞くと魅力的に感じますが、その内訳を見てみると、半分近くが残業代だった……といったケースも少なくありません。残業代で一時的に年収が上がっても、それは会社の利益に直結する「評価」ではないことが多いです。長時間労働は、心身の健康を損なうリスクも高まりますし、継続することは困難です。

本当に価値のある年収は、基本給が高いことです。基本給が上がれば、ボーナスや退職金も増えますし、長期的に安定した収入が得られます。

最近では、働き方改革で残業を減らす動きが業界全体で進んでいます。これからの時代に評価されるのは、遅くまで会社に残る人ではなく、限られた時間でいかに高い成果を出せるかという視点です。

構造設計者が年収を伸ばすために今すぐできること

「構造設計者としての自分の立ち位置は分かったが、具体的に何をすれば良いのだろう?」と感じている方のために、具体的な行動を3つ提案します。

1. 資格取得・スキルアップで基本給を上げる

最も確実なのは、やはり資格を取得することです。特に「一級建築士」や「構造設計一級建築士」は、資格手当や昇進の条件になっている企業が多いので、給料アップに直結します。
また、BIMや免震・制震設計といった専門スキルを身につけることも大切です。あなたの強みが明確になり、需要の高い人材となれます。

2. 転職で年収が劇的に変わる

同じスキルや経験を持っていても、働く会社が変わるだけで年収が大きく変わることがあります。なぜなら、給与テーブルや評価基準が会社によって全く違うからです。
もし今の会社で昇給が期待できないと感じているなら、転職は自分の市場価値を測る絶好の機会です。求人情報やエージェントから提示される条件は、あなたが持つスキルが市場でどれくらい評価されているかを示す「物差し」になります。
「ストラボnavi」を通じて転職すれば、年収アップが期待できます。人によっては100万円以上アップしたり、残業時間が月に20時間以上減るというケースも想定されます。収入アップと働きやすさ、その両方を手に入れるキャリアチェンジを「ストラボnavi」がサポートします。

3. 副業や独立で収入源を増やす

最近では、会社員として働きながら、副業で収入を増やす構造設計者も増加しています。いきなり独立するのはハードルが高いですが、副業ならノーリスクで始められます。
ストラボが運営する「ストラボpartner」を利用すれば、あなたのスキルや希望に合った案件を簡単に見つけられます。単発のスポット案件で数十万円を稼ぐ、年間契約で安定した副収入を得るなど、年間720万円分の案件を受注した方もいます。
会社員としての安定を保ちながら、自身のスキルで新しい収入源を築いていく」という働き方は、これからの時代、強力な選択肢となるでしょう。

年収ランキングはあなたの現在地を知るきっかけになる

本記事では構造設計者の年収ランキングや、高年収を実現する人の特徴について解説してきました。

重要なのは、年収という数字を客観的な事実として捉えることです。ランキングは、あなたが今、業界のどのあたりにいるのかを客観的に把握するための貴重な情報です。

次にやるべきことはたった一つ、行動を起こすことです。ご自身の市場価値を客観的に知ること。そして、その価値を最大限に活かせる場所を探していきましょう。

「ストラボnavi」は、あなたのキャリアをサポートするための就職・転職サービスです。ぜひ一度、ご活用いただき、ご自身のキャリアをアップデートする一歩を踏み出してみてください。

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監修者

小林 玄彦(こばやし はるひこ)
株式会社ストラボ 代表取締役

さくら構造株式会社の社長室室長として10年間、採用活動や評価制度の構築、組織マネジメントに従事。
オリジナル工法の開発やブランディングにも注力し、創業期から同社の規模拡大に貢献。
2024年に株式会社ストラボを創業し、構造設計者のための成長支援プラットフォーム「ストラボ」をローンチ。
構造設計者の社会的価値を最大化することを使命とし、構造設計業界や組織、そこで働く社員が価値観を共有し、他社との差別化を図ることで、構造設計者の価値を誇りをもって伝えられるようサポートしている。

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