【体験談】構造設計やってて良かった!自分の成長を感じた瞬間

こんにちは!現役の構造設計者であり、株式会社ストラボ代表の小林です。

今回のストラボ通信のテーマは、「構造設計をやっていて良かったと思った体験」です。

世の中には、クライアントからの感謝がダイレクトに伝わりやすい職種と、そうでない職種があると感じます。構造設計の仕事はどちらかと言うと伝わりにくく、「やって当たり前」という空気の中で仕事をしている人が多いのではないでしょうか。

だからこそ、たまにいただく「ありがとう」の言葉や、技術者としての成長を認められた瞬間は嬉しいものです。今回は、私が構造設計をやっていて嬉しかった体験談をお話しします。

建築業界の喜びはスケールの大きさが魅力

建築業界ならではの喜びといえば、達成感の大きさが特徴です。

  • 実際に建てられた建物を見て、成果を視覚的に実感できる
  • 図に自分が設計した建物を「証」として残せる

ランドマーク級のプロジェクトに携わることができれば、その喜びはひとしおでしょう。ただし、構造設計の責任は、業務が終わった後も建物が在り続ける限り、永遠に残り続けます。

震災が発生した際、私が真っ先に考えるのは、残った建物ではなく「倒壊した建物」についてです。

「なぜ耐えられなかったのか」
「構造設計者として、次にできることは何か」

地震で倒壊する建物を見るたびに、自らの使命感を再認識し、日々の設計に再び集中していく。この「命を守る」という重責そのものが、構造設計者にとっての大きな“やりがい”の根源であると思っています。

ストラボ小林
ストラボ小林
でもね、やっぱり「自分が建てた建物は大丈夫だったかな?」ということは、頭をよぎります。確かな根拠をもとに設計して、計算上は問題ないはずだけど、大きな地震が起きた時には不安になる。

地震で倒壊するのは設計手法や基準が古い建物が多く、今現在の構造設計技術で造っている建物との乖離があります。耐震性に大きく関わらない程度の損傷、例えばひび割れなどを発見した建物オーナーが心配になり、ご確認の連絡をいただくことも多々あります。

そのような連絡をきっかけに、損傷の原因や損傷レベルが想定の範囲内かを考え、次に設計する建物ではそうならない方法を見つけていくことになります。自分が手掛けた建物の被害は、学べることが桁違いです。

ストラボ小林
ストラボ小林
地震被害が甚大であれば国土交通省や専門委員会調査も入ります。半年~一年かけて原因の報告や対策が公表され、調査結果次第では建築基準法も変わります。

構造設計を続けてきてよかったと思えた瞬間

ここからは、私の個人的な体験をお話しします。
構造設計者としてキャリアをスタートさせて3年ほど経った頃のことです。

建築確認申請まで進んでいた案件に、先方都合で「ノンブラケット工法からブラケット工法に変える」という大幅な変更が突如発生しました。

担当者とは綿密に打ち合わせを重ねていたのですが、どうやら先方の社内調整が不十分だったらしく、上司判断でひっくり返ってしまったのです。

当時の私は、約2週間ほぼ毎日徹夜で対応することになりました。正直、あまりよい思い出ではありませんでした。

それから10年が経ったある日のことです。
私は別の構造設計事務所に転職していましたが、技術者の集まりがきっかけで当時の担当者と再会したのです。

ずいぶん昔のことでしたし、先方も役職に就いて立場が変わっている。自分のことなど覚えていないだろう、と思いつつ挨拶をすると、意外な言葉が返ってきました。

「小林さんのご活躍は、風のたよりで聞いていますよ。あの時は本当に助かりました。」

先方都合のトラブルではあったものの、今思い返せば、あの頃の自分はまだまだ未熟で、先方の要求に十分に応えられていなかったのではないか、という自覚もありました。しかし、10年の時を経て再会し、当時の私の仕事ぶりを認め、今の活躍を喜んでくれた。

その瞬間、自分の歩んできた道や成長を肯定してもらえた気がして、言葉にならない嬉しさがこみ上げました。

ストラボは構造設計の仲間と苦楽を共有する場になりたい

人と体験や感情を共有することには、何かしらのよい影響があると、私は感じています。

構造設計は、自分の作業とストイックに向き合う時間が非常に長い職種です。ああでもない、こうでもないと考えて、解析と修正を繰り返し続ける時間も多い。

私が一時期働いていた、ある構造設計事務所では、みんな淡々と作業をして、上司から言われた通りに修正をこなすだけ。そんな職場でひたすら残業をしていると「なんで自分ばっかりこんな仕事をしないといけないんだ」と鬱々とした気持ちになることがありました。

別の職場に移ってからも、そういう気分になることは相変わらずありましたが、そんな時に同僚と「ここどうしようか悩んでるんだけど、●●君ならどうする?」「こうやったら躯体数量かなり減らせてさ~」といった技術談議が、よい気晴らしになっていることに気が付きました。

話し終わった後は「良い建物をつくるために、また数字とにらめっこするか!」と前向きな気持ちにもなれたんです。

「ストラボAI」がいつでも質問できる相談相手になります

誰もが構造設計という仕事を頑張って、苦労して、楽しんでいる。そういう人の感情に触れることで「構造設計ってよい仕事だな」と思い直すきっかけになると、私は思います。

そこでつくったのが、誰でも気軽に構造設計技術の相談ができる「ストラボAI」です。

「ストラボAI」は、AIが建築構造についての質問に回答してくれるうえ、ストラボ利用者同士がAI回答の補足や、役に立つ情報を教え合える機能を持った、参加型AIコミュニティです。

まだまだ発展途上のサービスですが、論理的に設計の解決策を見つけ、時には悩みを共有しあう繋がりが、あなたのエンジニアライフをより豊かなものにすると信じています。

ストラボにアカウント登録をされている方はすぐに使えますので、ぜひ活用してみてください。

執筆者

小林 玄彦(こばやし はるひこ)
株式会社ストラボ 代表取締役

さくら構造株式会社の社長室室長として10年間、採用活動や評価制度の構築、組織マネジメントに従事。
オリジナル工法の開発やブランディングにも注力し、創業期から同社の規模拡大に貢献。
2024年に株式会社ストラボを創業し、構造設計者のための成長支援プラットフォーム「ストラボ」をローンチ。
構造設計者の社会的価値を最大化することを使命とし、構造設計業界や組織、そこで働く社員が価値観を共有し、他社との差別化を図ることで、構造設計者の価値を誇りをもって伝えられるようサポートしている。

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